「この物件、もう少し安くならないかな」
そう思っても、いくらと言えばいいのか分かりませんよね。

私も同じでした。
売出価格250万円の築59年の家を前に、電卓を持つ手が止まりました。

ゆるり

ボロ戸建てを買うとき、いちばん緊張したのが「指値」でした⛄

ゲコろん

いくら下げていいのか、分からないもんね🐸

結論からお伝えします。
222万円で買えました。
28万円の指値が通ったことになります。

ただ、この記事でいちばん伝えたいのは成功談ではありません。
「28万円では全然足りなかった」という反省のほうです。

ボロ戸建ての指値、結論は「相手の事情しだい」でした

2棟で、引けた額はこれだけ違いました
  • 1棟目:売出250万円 → 222万円(28万円引き・約1割)
  • 2棟目:売出230万円 → 180万円50万円引き・約2割

私は築古戸建てを2棟買っています。
引けた額は28万円50万円
ほぼ倍の差がつきました。

でも、通った金額はまるで違いました。
違いは私の交渉術ではなく、売主さんの事情でした。

私の実例は250万円から222万円(約11%引き)

1棟目の指値の実例
  • 売出価格:250万円
  • 指値後の購入価格:222万円
  • 下がった額:28万円(約11%)
  • 物件:築59年の5DK

ネットで見かける「半額で買った」という話に比べると、地味な数字です。

でも普通の人が普通に交渉して通るのは、このあたりだと思っています。

なぜ「半額の値引き」を狙わなかったのか

理由は3つあります。

1つめは、売主さんが「相場を知り尽くした人」だったからです。

内見のときに不動産屋さんから聞いたのですが、売主さんは私と同じように不動産投資をしている方でした。
築古戸建てを買ってDIYで直し、売りに出す。
それを本業のかたわら続けている人です。

つまり、その家にいくらかかっているかを、誰よりも分かっている相手でした。
大きく指しても、通る見込みはありませんでした。

2つめは、もともとの価格が安かったからです。
売出価格は250万円。
そこから半額は、さすがに通らないと思いました。

3つめは、早く大家さんになってみたかったからです。

1棟目に出会うまで、ポータルサイトでたくさんの物件を見てきました。
なかには、勇気がなくて買えなかった物件もあります。

そんな自分とは裏腹に、早く1棟目を買って、大家さんをやってみたい
不動産の世界に行ってみたい、とも思っていました。

大きな指値が効くのはこんなとき
  • 売主が相続などで早く手放したいとき
  • 長期間売れ残っていて、価格が下がり始めているとき
  • 修繕箇所が多く、金額の根拠を示せるとき

逆に、こうした事情が見えないうちに大きく指すと、交渉ごと終わってしまいます。

1割の値引きで、利回りは0.8ポイント上がった

28万円と聞くと、小さく感じるかもしれません。
でも利回りに直すと、はっきり差が出ます。

28万円で利回りはこう変わった
  • 指値なし(250万円)→ 総額 約435.8万円 → 利回り 12.1%
  • 指値あり(222万円)→ 総額 約407.8万円 → 利回り 12.9%
  • ※総額は諸費用・修繕費込み。家賃は月4.4万円で計算

28万円の交渉が、利回りを0.8ポイント押し上げました。

ゲコろん

たった1回のお願いで0.8%も?🐸

ゆるり

そう。
だから指値は、やらないと損なんです⛄

そもそも指値とは?築古物件で特に重要な理由

指値とは買主が「この金額なら買います」と伝えること

指値(さしね)とは、買う側が希望の価格を提示することです。

売出価格が250万円でも、「222万円なら買います」と伝えていい。
不動産の世界では、これがごく普通に行われています。

覚えておきたい3つの言葉
  • 指値(さしね)…買主が提示する希望価格
  • 買付証明書…「この金額で買います」と正式に伝える書類
  • 元付(もとづけ)業者…売主から直接依頼を受けている不動産会社

築古の家ほど価格交渉が通りやすい3つの理由

買い手が少ない
築古の家は住宅ローンが組みにくく、そのぶん競争相手が少なくなります。

売主が価格にこだわっていないことが多い
相続や空き家の管理負担から、早く手放したい方が一定数います。

直す場所が目に見える
壊れている箇所は、そのまま値引きの根拠になります。

この③がいちばん大事です。
根拠のある指値は、通りやすいからです。

私が実際にやった値段交渉の手順4ステップ

①内見で「直す場所」をメモする

内見のとき、直したほうがよさそうな場所をメモして、写真も撮りました

このときのメモが、あとで交渉の材料になります。

内見で必ず見ておきたい5か所
  • 床を歩いて、ブカブカ沈まないか
  • 水を出して、排水がちゃんと流れるか
  • ふすまや戸などの建具は動くか
  • 天井に雨漏りのシミがないか(大事Point①)
  • 屋根を外から見上げて確認したか
  • 傾きはないか(大事Point②)
  • シロアリはいないか(大事Point③)

屋根は、幸い無事でした。
ただもし傷んでいたら数十万円では済みません。
ここは必ず見てください。

大事Pointの3つは、買うかどうかの判断を左右します。
必ず確認してください。

②修繕費のざっくりした見積もりを出す

正確でなくて構いません。
「床の張り替えで◯十万円」くらいの粗い数字で十分です。

※わからなければその場でネットで調べたり、一緒に同行している不動産屋さんがいたら聞いてみると教えてくれます。
この業界で働いている人であれば大体の相場は知っているはずです。

私も見積もりは出しました。
ただ、初めてだったので「そこまで大きくはならないだろう」と甘く考えていました

そこが、次の章で書く反省点になります。

③買付証明書に金額と理由を書く

買付証明書は「この金額で買います」という意思表示の書類です。
ここに金額だけを書くのは、もったいない。

たしか私は、金額と一緒に「なぜその金額なのか」も書き添えました

④売主さん本人に、その場で伝える

これがいちばん効いたと思っています。

2回目の内見には、不動産屋さんが売主さんも呼んでくれていました
その場で、直接価格の話をしました。

書面やメールのやりとりではなく、顔を合わせて話せたことが大きかったと思います。

ただ、初めてだったので、かなり緊張しました。

ゆるり

目の前に売主さんがいる状態で金額を言うのは、思っていたより緊張しました⛄

ゲコろん

そりゃそうだよね…🐸

売主さんに会えるなら、会ったほうがいい
  • 相手の事情や温度感が伝わってくる
  • こちらの本気度も伝わる
  • 仲介さんに「売主さんにも同席いただけますか」と聞いてみる価値はある
同じお願いでも、伝え方でこう変わる
  • ❌「もっと安くなりませんか?」
  • ⭕「床の修繕に30万円ほどかかりそうです。その分をご相談できませんか」

正直な反省:28万円の指値では足りませんでした

ここからが、この記事でいちばん書きたかった話です。

修繕に167万円かかった(物件価格の75%)

1棟目にかかった修繕費の内訳
  • 床の大規模修繕:116万円
  • 内装:29.9万円
  • 壁の解体・建具:15万円
  • 水道:6.6万円
  • 合計:167万円

222万円で買った家に、167万円の修繕費。
物件価格の75%にあたります。

諸費用も入れると総額407.8万円。
物件価格の1.8倍になりました。

この修繕費の内訳については、「【体験談】ボロ戸建て投資はやめとけ?築59年を買った私が分かったこと5選」で詳しく解説しています。

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私は工務店・電気屋・襖屋を、それぞれ自分で探して発注しました。
安く上がった反面、電話代だけで月1万円を超えています。

相場を知らないまま進めると、その金額が高いのか安いのか判断できません。
無料の一括見積もりで、複数社の金額を並べてから決めるほうが確実です。

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見落としていたのは「床」だった

床を直す必要があることは、内見で分かっていました。
でも私は「60万円くらいかな」と考えていました。

実際は約120万円。
見込みのほぼ2倍でした。

床下は、内見では見えません。
見えない場所ほど、お金がかかります。

ゆるり

ここが、私のいちばん大きな失敗でした⛄

ゲコろん

見えないところって、こわいね🐸

今の私なら、いくらで交渉するか

同じ物件をもう一度買うなら、私は200万円で指値します。

250万円に対して50万円、2割の指値です。
修繕の見込みが60万円だったのに、実際は約120万円。
その差の分だけ、最初に引いておくべきでした。

通らないかもしれません。
でも「通らない指値をした」ほうが、「安く見積もって買った」より傷は浅いです。

私がたどりついた結論
  • 指値の額は、値切りたい気持ちで決めない
  • 修繕費の見積もりで決める
  • 修繕費は、自分が思った金額の2倍で見ておく

2棟目は、230万円が180万円になりました

1棟目の1年後、2023年に2棟目を買いました。
高松市の築42年・4DK。
すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件です。

2棟目の実例
  • 売出価格:230万円
  • 購入価格:180万円(50万円引き・約2割)
  • リフォーム費用:0円(購入時すでに入居中)
  • 月家賃:3.5万円 → 表面利回り 約23%

売主さんが「売り急いでいた」

売主さんは投資家の方でした。
話を聞くうちに、売却を急いでいることが分かりました。
次の物件を購入するための資金を確保したかったそうです。

だから思いきって、大きく指しました。
1棟目では絶対にできなかった金額です。

そして、結果は・・・通りました。

修繕0円だったから、価格に全部ぶつけられた

1棟目は、指値のあとに167万円の修繕が待っていました。

2棟目はすでに入居者がいて、リフォームは0円
だから使えるお金を、全部そのまま価格の交渉に回せました。

それでも購入前に、建物インスペクション(専門家の診断)を入れました。
1棟目で「見えない場所ほどお金がかかる」と学んでいたからです。

1棟目との違いは、交渉術ではなかった

私の話し方が上手くなったわけではありません。
変わったのは、2つだけです。

2棟目で変わった2つのこと
  • 売主さんの事情(売り急いでいた)を知っていた
  • 修繕費が読めていた(0円だと分かっていた)

おもしろいのは、1棟目も2棟目も、売主さんはどちらも投資家だったことです。

違ったのは立場でした。
1棟目は「直して売る人」で、原価も相場も知っている。
2棟目は「早く現金にしたい人」でした。

指値の幅を決めるのは、交渉術ではなく情報です。

ゆるり

1棟目の失敗があったから、2棟目で思いきれました⛄

ゲコろん

順番が大事だったんだね🐸

不動産屋さんに嫌われないために気をつけた3つのこと

ここで書くのは、売主さんではなく、間に入ってくれた不動産屋さんに対して気をつけたことです。

①金額と理由をセットで伝える

金額だけを伝えると、ただの値切りになります。
理由があると、相談になります。

②一発勝負にしない

「この金額でなければ買いません」とは言いませんでした。
あくまで相談という形でお願いしました。

③断られても感謝を伝える

不動産は、同じ仲介さんと何度も会う世界です。
1回の交渉より、次に物件を紹介してもらえるかのほうが大事だと考えました。

ゲコろん

値切る人って、不動産屋さんに嫌われないの?🐸

ゆるり

理由を言えば大丈夫。
むしろ「本気で買う人」だと思ってもらえます⛄

ボロ戸建ての指値でよくある質問3つ

指値はどこまで下げていいですか?

一般的な目安は、売出価格の5〜10%と言われています。
ただ私の2棟目は、約2割の指値が通りました。

やってはいけない指値
  • 理由を説明できない大幅な値下げ要求
  • 内見もせずに金額だけ伝えること
  • 一度出した金額を、あとから何度も下げること

値下げ交渉をしたら、他の人に取られませんか?

可能性はあります。
実際「指値なし・現金即決」の方が優先されることもあります。

現金と融資、どちらが価格交渉に有利ですか?

現金のほうが有利です。
融資は審査が通らない可能性があり、売主から見ると不確実だからです。

購入時にかかるお金の全体像については、「【初心者向け】物件価格+いくら必要?不動産購入の費用をすべて公開!」で詳しく解説しています。

まとめ|ボロ戸建ての指値は「根拠」がすべてでした

この記事の要点
  • 1棟目:250万円→222万円(約1割)。でも修繕167万円で足りなかった
  • 2棟目:230万円→180万円(約2割)。売主が売り急いでいた
  • 幅を決めるのは交渉術ではなく、売主の事情と修繕費
  • 修繕費は、自分が思った金額の2倍で見ておく

指値は「いくら値切れるか」ではありません。
「直すのにいくらかかるか」で決めるものだと、私は考えています。

ゆるり

私は28万円しか下げられませんでした。
でも、やらなければ0円です⛄

ゲコろん

まず言ってみることだね🐸