基礎知識

【初心者向け】利回りってなに?どう出すの?|築古物件のリアルな計算方法

「この物件、利回り12%ですよ!」

はじめて不動産サイトでこんな言葉を見たとき、
「高いってこと?いい物件ってこと?」と、正直よく分かりませんでした😅

なんとなく「数字が高ければおトクそう」という感覚だけで物件を見ていた私たちですが、
いざ実際に築古戸建を買ってみると、“利回り”は数字だけを見て判断しちゃいけないと気づきました。

修繕費や空室リスク、家賃収入の変動、不動産会社の罠…
運用してみてはじめてわかる「現実」がそこにはあります。

このブログでは、そんな私たちの実体験をもとに
**利回りの基本から、実際の計算方法、そしてその“落とし穴”**まで、初心者向けにわかりやすくお届けします( ..)φ✨
特に、築古物件を検討している方にはぜひ読んでほしい内容です!

利回りってそもそもなに?

「利回り」とは、投資した金額に対してどれくらいの利益が出るかを示す指標のこと。
不動産投資では特にこの利回りを目安に、物件の“収益性”を見ていきます。

たとえば、「利回り10%」といえば、100万円投資して1年間に10万円の利益が出るイメージです。なので、10年間持ち続ければ元本の100万円を回収できるのです。

表面利回りと実質利回りの違い

初心者がつまずきやすいのが、この2つの言葉の違いです。

種類計算方法ポイント
表面利回り(Gross Yield)年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100経費や空室を含まない「見かけの数字
実質利回り(Net Yield)(年間家賃収入 − 年間支出)÷(物件価格+諸費用)× 100経費を考慮した「実際に近い数字

よく不動産サイトに出てくるのは**表面利回り(Gross Yield)**です。
でもこれはあくまで“理想の数字”であって、実際に手元に残るお金ではないことに注意が必要です。

私たちが考えなければいけないのは、**実質利回り(Net Yield)**です。
こちらの方が、手元に残るお金によりリアルに近い数字と言えます。

高利回りには“罠”もある!?

「利回り20%の物件です!」なんて表示を見ると、
「おっ、めっちゃ儲かりそう!」とテンションが上がるかもしれませんが…

利回りが高い=いい物件、とは限りません。

・家賃は高くても、ボロボロで修繕費が多額になるケース
・入居者が全然つかないエリアで、空室リスクが高い
・物件価格が安すぎて、逆に出口戦略が難しい

さらに注意してほしいのが、地方の築古物件を首都圏の不動産会社が販売しているケースです。
特に知らない土地で地方築古投資を考えている場合は要注意。
このような場合、相場を逸脱した家賃設定で表面利回りを高く見せていることがよくあります。

「このエリアでこの築年数、この家賃は取れないでしょ…笑」
なんて物件が、実際にサイト上にはたくさん並んでいたりします。

高利回りに見えても、まずは冷静に調査を。
同じプラットフォームの「賃貸」欄を活用して、近隣の家賃相場を調べてみると
その物件が現実的なのかどうか、少しずつわかってきます。

物件を毎日見ることで、築年数や土地面積、地域、室内の状態から
「これは適正価格?」「この家賃は高すぎる?」といった目が養われていきます。

あまりに高利回りな物件には“罠”があると思っていてちょうどいいくらいです(笑)
利回りは大切。でも、数字だけで飛びつかず、背景を読む力を少しずつ身につけていきましょう😊

実際にどうやって計算するの?

利回りの計算には大きく分けて「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあります。
ここでは、それぞれの計算式と、私たちの1棟目物件を例にしてリアルな数字を出してみます。

表面利回りの計算方法(Gross Yield)

計算式はいたってシンプルです。

「年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100」

私たちの1棟目は、年間家賃収入が 540,000円、物件価格が 2,220,000円 でした。

540,000 ÷ 2,220,000 × 100 = 約24.3% ← コレ!

不動産サイトに載っている利回りは、この「表面利回り」です。
この24.3%という数字は、かなり高い方です。約4年で元がとれる計算になります。
数字だけ見るとかなり高く見えますが、実際はここから諸費用や修繕費が差し引かれます。
では、次に実質利回りをみてみましょう。

実質利回りの計算方法(Net Yield)

こちらは、年間家賃収入から**年間支出(管理費・固定資産税・修繕費など)**を差し引き、さらに購入時の諸費用も含めた総投資額で割ります。

計算式はこうなります。

「(年間家賃収入 − 年間支出) ÷(物件価格+購入時諸費用)× 100」

私たちの1棟目の場合、購入時の総額は 4,077,979円(物件価格+諸費用+修繕費など)。
年間支出は固定資産税や管理費などで、仮に 約60,000円 とします。

「(540,000 − 60,000) ÷ 4,077,979 × 100 ≒ 約11.8%」 ← からのコレ!(笑)

表面利回りが24%だったのに対し、実質利回りは約12%までダウン。
これが「表面と実質で大きく差が出る」典型例です。

みなさん、これが現実です(笑)
利回りが半分になるなんてザラにあります。
私も今回きちんと計算するまで、ざっくり14%くらいだと思っていました。
ブログを書きながら出てきたこの数字に、正直ちょっと引いてます😅

だって、購入した時は築59年ですよ!?(笑)
修繕費がかかりすぎて、これは明らかに“失敗の1棟目”ですね。
まぁ築古だから仕方ない部分もありますが…10年後に300万円くらいで売れたらラッキーかなと思っています。

ポイント

・修繕がある物件は利回りが大幅に下がる可能性がある
・表面利回りはあくまで目安、実質利回りを見てこそ本当の収益性が分かる
・実質利回りは物件や運営状況によって毎年変動する

正直、表面利回りから実質利回りに計算し直して、
「こんなに下がるの!?」と驚いた方も多いと思います。

でも、ここで覚えておきたいのは——
利回りはあくまで“目安”であって、物件の価値をすべて決める数字ではないということ。

修繕費や空室リスクだけでなく、立地や将来の需要、出口戦略(売却計画)など、
長期的な視点で見ないと、本当に“いい投資”だったかどうかは判断できません。

ここからは、私が実際に経験して感じた
「利回りだけでは判断できない理由」についてお話していきます😊

利回りだけじゃ判断できない理由

不動産投資の指標として欠かせない「利回り」ですが、
この数字だけを見て物件を決めてしまうのは危険です。
私も1棟目を購入したとき、利回りの数字に気を取られすぎて見落とした点がありました。

修繕費と空室リスク

築古物件は購入後に想定外の修繕が発生することがあります。
屋根や配管の交換、内装のやり直しなど、1回の工事で数十万円〜数百万円かかるケースも珍しくありません。
また、入居者がすぐに見つからなかったり、途中で退去してしまえば、その間は家賃収入ゼロ。
高利回りのはずが、一気に数字が下がってしまいます。

私の1棟目の場合は、周りの家賃相場から賃料55,000円、安くても47,000円で見込んでいました。
(大体の家賃相場を近隣周辺から調べておりました。まぁ、不動産屋さんに言われたのもありますしね。うのみにしすぎていました。)
修繕にかかっても150万円ぐらいかな?と考えており、その時想定していた実質利回りは、
(4.7万円 × 12ヶ月) ÷ (222万円+150万円) × 100 = 約15.2% だなーなんて計算していた日が、私にもありました(笑)

立地と将来の需要

現在の利回りが高くても、立地条件が悪ければ将来の入居需要は下がります。
周辺にスーパーや病院、駅などの生活インフラがあるか、人口が減っていないかも要チェックです。
特に地方では、人口減少と高齢化が進んでいる地域も多く、家賃を下げても入居者が見つからない可能性があります。

家賃を下げても入居者が見つからないことも想定して、最低家賃を考慮したうえで利回りを計算しておくことも重要です。
例えば1Rの場合、想定が35,000円としていたとしましょう。
しかし他の物件では27,000円で募集しているところもあった場合は、そのさらに下の25,000円をみておくぐらいで丁度いいでしょう。

出口戦略(売却計画)

購入時は「ずっと貸すつもり」でも、状況によっては売却することになるかもしれません。
そのときに買い手がつきやすい物件なのか、価格が下がりにくいエリアなのかも重要な判断材料です。
出口戦略を考えていないと、「売りたくても売れない」状態になるリスクがあります。

なので、少しでも栄えている都市を選択し、その中でも繁華街に近い(将来買い手が付きそうな)ところを見極めていく必要があります。

私たちの物件は買ってよかったのか?

こうして振り返ってみると、1棟目の実質利回りは約12%
購入前に想定していた15%超からは、かなり下がってしまいました。
原因はやはり、想定を大きく上回った修繕費と、見込み家賃の読みの甘さです。

それでも、「買ってよかったか?」と聞かれたら——
私は「はい」と答えます😊

理由はシンプルで、この1棟目で不動産投資の現実を肌で学べたからです。

  • 利回りの数字だけを信じてはいけないこと
  • 修繕費や空室リスクを保守的に見積もる大切さ
  • 地域の家賃相場を徹底的に調べる重要性
  • 出口戦略を見据えた物件選びの必要性

もしこの経験がなかったら、もっと大きな金額の物件で同じ失敗をしていたかもしれません。

正直、この物件は「利益が大きく出る投資」ではありませんでした。
しかし、毎月の家賃収入はしっかり入ってきており、運用の流れも一通り経験できています。
そして何より、この物件を通じて学んだことは、2棟目・3棟目の投資に確実に活きています。

この経験があるからこそ、今では物件を見た瞬間に「これは危ないかも」「この条件ならアリ」と判断できる目が養われました。
そういう意味では、1棟目は私たちにとって“授業料”だったのかもしれませんね(*´ω`)

まとめ

利回りは、不動産投資の収益性を測る大切な指標です。
しかし、その数字だけを見て物件を判断するのはとても危険。

今回の私たちの1棟目のケースでは、

  • 表面利回り:約24%
  • 実質利回り:約12%

と、数字が半分にまで下がりました。
原因は想定以上の修繕費や、家賃相場の読みの甘さです。

今回お伝えしたポイントはこの3つです。

実質利回りを必ず計算すること(表面利回りはあくまで目安)

家賃相場や最低賃料を調べて保守的に見積もること

修繕費・空室リスク・出口戦略を含めて総合的に判断すること

数字だけでなく、その裏側にある条件や背景をしっかり確認してこそ、長期的に安定した不動産投資が可能になります。

気になる物件は、購入する・しないに関わらず、片っ端から実質利回りを計算してみてください
そうすることで、大体の相場観が養われてきます。
それを繰り返しているうちに、「お?」と思える物件に出会えるはずです(*´ω`)
この記事がみなさんの不動産投資の一助になれれば幸いです。