ノウハウ

【初心者向け】遠方物件を持つときの注意点3選|交通費・修繕立ち合い・管理体制のリアル

不動産投資をしていると、地元だけでなく遠方の物件にも魅力的な案件が見つかることがあります。
価格や利回り、立地条件が良くても、いざ所有してみると交通費・時間・修繕対応など、思っていた以上に負担が大きくなるのが「遠方物件」です。

結論から言うと、遠方物件は次の3つが想像以上に負担になります。

1.交通費と移動時間の負担
高速代・ガソリン代・駐車場代が積み重なり、年数万円単位の出費になることも。

2.修繕や点検対応の手間
現地での立ち合いや日程調整が難しく、対応を管理会社や業者に委託する必要がある場合も。

3.信頼できる管理体制の構築
遠方物件ほど管理会社との連携が重要。対応スピードや報告体制の質で収益性が変わる。

私も1棟目から県外の物件を購入しましたが、その理由は地政学的なリスクヘッジでした。
日本は地震の多い国で、特に私が住む高知県では将来南海トラフ地震が来ると予想されています。
そのため、あえて高知に物件を持たず、県外に分散して所有する方針を取ったのです。

本音を言えば、地元に物件があれば管理や立ち合いは楽です。
しかし高知県は人口流出が激しく、さらに総人口も日本でワースト3位という厳しい現実があります。
こうした要素もあり、結果として県外への不動産投資から始まったわけです。

この記事では、私の経験をもとに遠方物件を持つときの注意点3選をお伝えします。
これから遠方で物件購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1.移動コストと時間的負担を甘く見ない

遠方物件の最大のネックは、移動コストと時間的負担です。
内覧・契約・修繕立ち合いなどで現地に行くたびに、交通費と丸一日の時間がかかります。

私の場合、高知から香川県高松市の物件まで片道約2時間、神戸市までは片道約4時間。
交通費は高松市だと往復約7,000円、神戸市だと往復約15,000円かかります。
年間で現地訪問する回数は2〜5回程度ですが、それだけでも交通費は数万円にのぼります。

さらに困るのが時間的な制約です。
妻との日程が合わなかったり、子どもの保育園の迎えがあって内覧件数を減らさざるを得なかったこともあります。
どうせ行くならたくさん見たかったのに、時間に追われながらの内覧は気持ち的にも焦りますし、満足度も下がります。

また、移動時間はネットで調べた所要時間よりも30分〜1時間は多めに見積もるのがおすすめです。
子どもを連れて行く場合はサービスエリアでの休憩や食事の時間も必要ですし、渋滞や高速までのアクセス時間も考慮する必要があります。
ちなみに私たちは、高速に乗る前に必ずコンビニでコーヒーや軽食を買うのが恒例。これがまた「旅の始まり感」があって楽しいんですよね(笑)

こうしたちょっとした楽しみを入れておくのも、内覧に行くモチベーションになります。
お昼はあらかじめご当地の美味しそうなお店を調べておき、妻と二人でランチを楽しむこともあります。
女性側からすると、1日中内覧だけに時間を使うのは疲れますし、こうしたリフレッシュがあると気持ちも軽くなります。

遠方物件は、こうした移動コストと時間的負担を試算に入れてこそ、本当の収支が見えてきます。

修繕・点検対応のハードル

遠方物件のもう一つの大きな課題は、修繕や点検の立ち合いです。
物件が近ければサッと行けることも、遠方だと1回行くだけで丸1日が潰れる大イベントになります。

私の場合、1棟目の築古物件を購入した際、内装工事に100万円以上を投入しました。
修繕箇所が多く、見積もりも3社に相見積もりを依頼したため、時間も手間もかなりかかりました。
売買を仲介してくれた不動産屋さんが親切で、修繕の進捗を写真で送ってくれたり、状況をこまめに共有してくれたのは本当に助かりました。

とはいえ、すべての不動産屋さんや業者さんが同じように動いてくれるとは限りません。
特に遠方だと「この日しか作業できない」と言われても、仕事や家庭の予定と重なりやすく、泣く泣く予定をずらすこともあります。

対策としては、管理会社さんや信頼できる地元業者さんに依頼し、写真や動画で進捗報告をもらうのがおすすめです。
最近ではLINEやメールでリアルタイムにやり取りできるので、現地に行かずに済む工事も増えました。
ただし、すべてを任せっぱなしにするのではなく、最初のうちは自分の目で現場を見て経験を積むことも大事です。

さらに地域によっては、地震・水害・雪害などの災害リスクも考慮が必要です。
例えば香川や高知では台風被害の可能性、神戸など都市部では大雨による浸水エリアなども事前にチェックしておきましょう。
これらの情報はハザードマップや自治体の防災情報サイトで簡単に調べられます。

管理体制と信頼関係の重要性

遠方物件では、管理会社との信頼関係が収益性に直結します。
近くに住んでいれば自分で対応できることも、遠方では管理会社さんや地元業者さんに任せるしかありません。

入居者対応や家賃管理はもちろん、突発的なトラブル(設備故障・水漏れ・近隣トラブルなど)にも迅速に動いてくれるかどうかが重要です。
対応が遅れれば、入居者さんの不満や解約につながり、空室期間が長引くリスクが高まります。

私の場合、県外の物件を持つと決めた時点で「現地で動ける味方をつくる」ことを最優先にしました。

管理会社選びでは、レスポンスの速さ・提案力・報告の丁寧さを重点的にチェック。
内覧や契約の際には、担当者の人柄や熱意も見極めています。

さらに、日頃からこまめな連絡や感謝の気持ちを伝えることで、信頼関係はより強くなります。
これは単なるビジネスのやり取りではなく、長期戦を一緒に戦うパートナーづくりです。

遠方物件で成功するかどうかは、立地や家賃設定だけでなく、こうした管理体制の質によって大きく左右されます。
物件選びと同じくらい、管理会社選びにも時間をかける価値があるのです。

「遠方物件は、信頼できる管理会社がいてこそ成り立つ投資です。
距離を埋めるのは、新幹線でも高速道路でもなく、人と人との信頼関係です。」

まとめ

遠方物件には、地元では得られない魅力的な案件がある一方で、交通費・時間・修繕対応・管理体制といった大きなハードルも存在します。

今回ご紹介した3つのポイントをおさらいすると…

移動コストと時間的負担を甘く見ない

修繕・点検対応のハードルを理解する

管理体制と信頼関係を最優先に考える

これらを事前にシミュレーションし、運営方法を決めておけば、遠方物件でも安定した運営は可能です。
大事なのは、**「利益だけでなく運営のしやすさも含めて投資判断をする」**こと。

気になる物件があれば、まずは交通費や修繕リスクまで含めたシミュレーションをしてみてください。
その上で「この距離ならやっていける」と判断できれば、遠方物件は立派な武器になります。

この記事があなたの不動産投資のヒントになれば幸いです。
焦らず、一歩ずつ、ゆるりと行きましょう。